梅雨空の奥三河・天狗棚界隈を歩く2009年07月05日

湿地に咲くミズチドリ
 夜明けが早いから目覚めるのも早い。
 7時前にマイカーに乗り込む。県道58で平戸へ走り、R153に合流。鞍が池方面に右折し、また左折。閑散とした鞍が池を通過。足助へも早い。猿投グリーンロードが値上げして以来、このルートが定着した。
 足助の町に入ると新しいトンネルが開通していた。あっという間に足助の町をバイパスする。稲武の黒田辺りに来ると茶臼山が遠望されるが梅雨空とて墨絵のようだ。道の駅で一休みして稲武の交差点を右折。R257に入る。私の好きな名倉の高原に着いた。奥三河一の穀倉地帯ではないか。
 東海地方では余り例がないがここも谷戸(やと)の地勢である。両側を山に囲まれた土地で川が流れるか湿地がある。一方は耕作に利用し、近くに住まう。名倉は私の在所にもあるがやはり両側を山に囲まれて小さな川が流れている地形だ。
 名倉のアグリステーションでちょっと高原トマトなど買い物をする。茶臼山高原道路に入り、面の木ビジターセンターにP。道草を食いながら来ても10時前には出発。園地へは下る。一度見たかった木地師の小屋を見学したり、湿地帯の花を楽しんだ。園地ということもあり、一度Pまで戻ってトイレを済ます。
 花はササユリ、ニガナ、アヤメの仲間、ミズチドリ、ウツボグサ、ドクダミ、カワラナデシコなどを見た。湿地を後に下ると林道に出た。林道をトボトボ登ると面の木ICから下る県道に合う。ここで右折すると地形図で伸びてくる尾根に入れる。
 かなり急な尾根道であるが落葉樹の美しい森である。先ほどからウグイス、カッコウ、ホトトギスが啼いて夏の森を賑やかに歌う。その中に鳥居がある狭い尾根の入口に着いた。右へはかすかに踏み跡が下っていく。ははん、この尾根が茶臼山高原道路と平行する東尾根か、と見た。鳥居をくぐると鉄製の階段道が続いた。急な階段である。登り終えたところが天狗棚展望台であった。鳥居からは赤いペンキで塗られた宮標石が何箇所も続き、白い標柱も立てて保護されているかに見えた。ここはかつては御料林だったのだ。
 近くの碁盤石山が梅雨空に霞む。廻りの樹木はヤマボウシが咲く。バイカツツジが散り終った後であろう。展望台を辞してついでに天狗棚も往復した。天狗棚までも宮標石は多い。およそ1時間程度の散策であった。
 鳥居まで戻ると左折した。踏み跡程度だが歩きやすい。ゆっくり下ると界49の白い標柱に桧原山と書いてある。ここが御料局三角点であった。いわゆるピークではない。それが何とも物足りない思いである。
 尾根をそのまま下ると左に高原道路に下る枝道があったが直進して反射板まで下った。曇り空で見晴らしはない。右へと小広い道が下ってゆくので辿ると林道に出た。右へは尾根の入口を経て面の木からの県道に行き、左は面の木ビジターセンターへ行く。
 ビジターセンターへと足を向けた。朝と違って多数の車が止まっていた。資料室を一回り見て、茶店でコーヒーと御幣餅を食べた。
 帰路はR257まで戻り、設楽町から新段嶺トンネルを潜り、足助経由で帰る。気温は天狗棚で19℃、足助でも23℃と涼しい。念願だった桧原山御料局三角点探訪の軽いハイキングでした。