寿司米2009年06月22日


    酸味やや利かせてありし鰻寿司        拙作

 寿司は夏の季語。昨日、源屋で食した中に鰻寿司が2かん添えられていた。鮎だけで満腹状態なのに鰻寿司はやや大きめで流石に持ち帰る人もいた。食べてみるとやや酸味が強い。酢がよく利いている。この味は昔懐かしいふるさとの味であった。
 農家だった私の家ではたまに寿司を作った。祖父が好んで率先して台所に立った。正月もいわしの酢漬けを大ぶりの寿司米に乗せて食べた。少々酢がきつかった。子供の舌ということもある。
 寿司は作り置きするものであり、冷蔵庫には入れない。御飯がばさばさになるからだ。冷蔵庫のない時代ゆえに防腐剤の役目で酢を利かせたに違いない。
 源屋の鰻寿司はやや甘味もあるので食べやすい。結局ぺろりと2かんも食べてしまった。都会の寿司屋、回転寿司、スーパーの惣菜コーナーの寿司は基本的には酸味は殆どない。出されてすぐに食べるからである。
 戦前の登山家・加藤文太郎は登山に持っていく弁当には酢を振っていったという。私も真似をしてそんな弁当を作った覚えがある。コンビニの弁当を買うようになってからはそんな知恵も薄れた。