三河・京ヶ峰に登る2009年01月17日

 今日は山岳会の新年会が夕方からあるのでその前にちょっと軽く山を歩いておこうと思った。ビールの旨さを味わうためである。
 行く先は岡崎市の本宿にある京ヶ峰である。マイカーを捨てて久々に名鉄電車に乗った。金山駅発8:07の豊橋行き特急に乗り、東岡崎で急行に乗り換える。2駅で本宿である。770円也。関東圏のほぼ2倍はかかる。
 駅を降りて車道を歩く。東名高速の側道のような道を豊橋方面に向う。約30分弱で上空に高圧線を確認する。注意しながら行くと車道から山中へ巡視路の案内板があり、そこから山歩きになる。左へ振ってゆく道を見送り、階段状の道を登りきると鉄塔に達した。
 ここから上へは踏み跡を辿る。所々、倒木が行く手をさえぎる以外は藪もない疎林である。尾根は広くなり、本宿からの稜線かな?と思うと途端に広がりが増す。落葉を一面に敷き詰めて素晴らしい疎林を行く。緩やかな高まりに達すると赤テープが幾つも目立つ。何だろうとやり過ごして先へ行くと雰囲気が変わり、下っていきそうになる。右を見ると樹林越しに稜線が見えたので赤テープまで引き返す。やはり意味があったのだ。一旦下って登り返すと林道が上がってきており、終点は京ヶ峰の電波反射板だった。
 林道を少し下って再び尾根をやや急登すると2等三角点が埋まる山頂だった。駅から1時間30分だった。京ヶ峰の京は経の当て字かと思ったが山頂には祠もない。信仰の跡は一切認められなかった。
 山頂からの眺望はないので休む間もなく鶫ノ巣町へ下るらしい尾根道を歩いた。道はしっかり踏まれていたが30分ほどで怪しくなり、赤テープの乱れる分岐で適当な尾根を下ってみることにした。ここからはもう踏み跡はない。
 落葉に覆われて人間の足跡も獣の跡もない綺麗な尾根であった。そして沢に出会うと林道であった。地形図で見るとどうやら衣文辺りに行くらしい。結構奥深い林道を黙々歩くとようやく明るい田園に着いた。村人に聞くとやはり衣文であった。 
 教えられた神社から山越えの道を越そうとしたがもう12時近かったので前途を中止した。308.8mの点名:北原山もピークハントしたかったが他日とした。北原山は3年前、柴田昭彦『旗振り山』のことに関して26件のコメントを交わした際に発見した山である。米相場の盛んなる時代、北原山が中継地になったというのである。
 本宿からは豊田市に向かい、旧友の主催する写真展を見学した。段戸山一帯の谷を中心に風景を活写した20枚。中には遡行価値のありそうな谷もあった。滝洞、鰻洞、弁天谷など。すべて出来山に突き上げる谷である。澄川、裏谷川もいい。絵葉書的な視点でないのがいいと思った。
 旧友のY君は今日も段戸に行ってきたらしい。午後、久し振りに会った。同年齢であるがすっかり髪が白くなり、薄くなっていた。これも歳月である。一昨年、彼が偶然『愛知県の山』を読んで私の名前を見て電話してきたことを思い出した。あの本がなければ何十年ぶりかの再会もなかった。年賀状を交わすだけの友人があの本を媒介にして新しい交流を可能にしたのである。
 会場を辞して帰名。今池で行う新年会に向った。約90名の参加者で賑わった。ビールが染み渡るように旨かった。

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