『東海山岳』10号刊行!2008年11月18日

 去る11月13日夜、今池の「ガス燈」なるレストランで『東海山岳』10号の編集にタッチした全員で慰労会を持った。本を編集する過程ではまず原稿集めなど様々な悩みが山積していたが一つ一つ解決しながら上梓に漕ぎ着ける慶びは何度経験しても得がたいものである。そもそも出版編集に携わる機会は滅多にない。依頼があると煩わしいと思う反面、又やるか、と一念発起することになる。
 本書は10月1日付けで刊行。800部。山岳会の内輪の出版物であるが海外遠征から国内の記録、研究、報告などが375ページにぎっしり詰め込まれている。
 圧巻は海外遠征でローツェの南壁完全踏破の記録が巻頭を飾る。p127までが海外遠征で充実した内容である。インドヒマラヤ登山隊2005の記録、同2007の記録、台湾・玉山2005の記念登山、クビ・カンリ、ナンガパルパット、七大大陸最高峰登頂、ラダック山脈ルケルー峰と記録報告でほぼ30%も占める。
 他には北インドの地質とヒマラヤ山脈の形成、白山十二の道、猿投の森の樹木、地域研究中央アルプスの山と谷、下山後のケア 温泉を利用した積極的疲労回復法などの研究、論考、室堂から新穂高温泉「北アルプスオートルートバリエーション」と上の廊下横断、赤牛岳、温泉沢経由単独山スキーの記録、白く高き山々へ 2004年6度目のアルプスは海外の紀行、その他の活動報告から構成。
 筆者も書き溜めてきた中央アルプスの山と谷の記録、山村の研究、紀行などを投稿してサポートした。岳人に投稿した記録も含めて原稿用紙80枚分になった。多いというのでかなり削除したが23ページにもなる。ローツェが19ページ分なのでバランス上、もっと削除を求められた。しかし雑原稿がなかったせいでなんとか通してくれた。本来は概念図、写真などももっと増ページ要因はあった。本は充実を言い出すと切がないのである。そこが編集者の権限のもっとも重要な機能であろう。本は出版できるだけで満足、投稿して掲載してもらっただけでありがたいと思う。