映画「淑女と髯」鑑賞2007年12月12日

1931年松竹制作。小津安二郎が28歳の頃の作品。サイレント映画です。
 これで1931「東京の合唱」1931「生まれては見たけれど」1929「大学は出たけれど」1930「落第はしたけれど」1933「出来ごころ」と観てきたがどれも可笑しい。健康な笑いに満ちている。サイレントは台詞がないから身振り手振りで諧謔性を表現する。アメリカ風に言えばギャグである。語韻も似ている。
 この映画は岡田時彦が主演で顔を覆う髯面のバンカラ風大学生の役。なぜ髯を生やすかという質問にリンカーンの写真が出て説明されるのが可笑しい。過去の偉い人は髯を生やしていたというのであるが。対する女優は3人が主役で中の川崎弘子は田中絹代ばりの日本的な可愛い顔でそっくり。当時はあれが美人の標準だったのであろうか。
 弘子に髯を剃りなさいと諭されて剃るとホテルにも入社決定。馬鹿にしていた他の女性まで惚れているという変り様。それは岡田時彦が当代きっての美男俳優だったからでした。
 わずか1時間15分でした。1903年12月12日に誕生。1963年12月12日に首に癌を患って死去した。命日であり誕生日でもあるという。「豆腐屋には豆腐しか作れない、そんなに色々作れるわけがない」といっていた小津さん。病床でも見舞い客に「ガンモドキが出来た」といって笑わせていたそうだ。わずか60年の命でしたが素敵な映画を沢山残してくれてどうもありがとうございました。
    小津安二郎の映画観て居る忌日なり    拙作

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
日本で一番美しい山は?
ヒント:芙蓉峰の別名があります。

コメント:

トラックバック