中国山地の山旅① 矢筈ヶ山2007年05月03日

 5/2夜9時、同行のNさん宅を中国山地に向けて出発。東名名神高速は通行量多く時速80km以下でゆっくり走行。特に関西圏に入ると渋滞気味。5/3午前12時半、止む無く西宮名塩SAで車中泊とした。
 5/3朝午前5時目覚める。P内も売店も人と車でごった返している。起き抜けに出発した。中国道はまだ朝早いせいで交通量はやや多めといったところ。本日の晴天率は高く、以後は悪化を辿りそうなので急遽当初予定の三国山を本命の矢筈ヶ山に繰り上げた。
 米子道に入り湯原ICから登山口に向う。朝霧は晴れるの諺通り、蒜山三山、烏ヶ山、大山などがすっきりと青空にスカイラインを描く。午前8時、一向平の登山口はまだ朝早いせいかがらんとしている。
 大山みちは伯耆三山(大山・船上山・三徳山)のうち大山から三徳山を結んでいた修験道の一部で大山滝までは家族連れのハイキングコースとして整備されているが一部遊歩道の崩壊があって名目は通行止めになっている。自己責任でなら入山可能と係の人の弁。
 車道のような遊歩道を行き、自己責任で決壊場所を高く巻いて通過した。鮎返りの滝を見て釣り橋を渡る。深い渓谷である。左岸側に渡る。大山滝まではあまり傾斜もない。加勢蛇川の上流にある高さ37mの大山随一の滝と宣伝されていて堂々としている。ハイカーはここまで、この先は登山者の領域との警告を書いた看板がある。
 登山道に踏み込むと眠り足らない体がしゃんとするようなブナの美林のなかに分け入っていく。素晴らしい。Nさんと感嘆の声を発しながら登る。大山隠岐国立公園の大山のブナ林は西日本最大級の規模とのこと。垂直の気温分布で下は新緑の盛り、上のブナは芽吹いたばかり。大きな尾根をジグザグを繰り返しながら高度を上げる。
 大休峠の手前からは大山、烏ヶ山がよく見えた。谷筋の残雪がまだ冬の名残を惜しんでいるかのよう。
  大山の春惜しむごと谷の雪      拙作
足元の草花も増えるが名も知らない。それが残念だ。大休峠は矢筈ヶ山への分岐。ここは大山へ行く登山道、川床に下る道(中国自然歩道)への拠点でもある。ごじんまりとした避難小屋もある。文字通り大休みしたくなる。
 矢筈へは笹、潅木の中の道で整備された中国自然歩道から整備状況は悪くなる。倒木あり、石のごろごろした所もある。前山への急な道をやり過ごすと傾斜は緩くなる。しかしながら周囲はブナの原生林であり芽吹きさえ覚束ない。タムシバの花が裏日本的な自然を象徴する。
 イチイの潅木を分けて登ると山頂に立つ。6畳程度の狭い山頂の一角に1等三角点があった。『1等三角点百名山』で坂井久光氏は昭和44年4月中旬に登った当時はまだ櫓があったこと、峠でも1mの残雪があったことなどを書いている。今は櫓は撤去されて大勢の登山者が登ってきている。Nさんが来るまでに小矢筈を往復しておいた。
 山頂からの展望は絶品である。大山、烏ヶ山、蒜山三山などが聳える。特に大山は仰角の関係で立派に見える。地元の登山者の一人は3回目でやっと大山を眺めることが出来ました、という。この山は日本海が近く雲に覆われることが多いせいだろう。我々は幸運にも初登山で好晴に恵まれた。
 山頂を堪能した後は元来た道を下山した。登山口に戻ると大勢の家族連れが来ていた。キャンプ場ではいくつかのテントも張ってあった。我々は予約した関金温泉の旅館に向った。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
日本で一番美しい山は?
ヒント:芙蓉峰の別名があります。

コメント:

トラックバック