中央アルプス・蕎麦粒岳敗退2006年12月24日

 長年の懸念であった蕎麦粒岳に3人で挑んだが時間切れで敗退となった。残念。
 この時期は日暮れが早くて長丁場の山行には不利であったが休みの関係でこの日に持ってこざるを得なかった。それに滑川の水量も激減するだろうと予測した。
 23日は山の中へ入れるだけ入るという選択肢もあったが結局は車の近くでテントを張っての宴会の楽しみを優先した。過去、風越山経由、一の沢経由で萩原沢岳には2度登山、二の沢は以上の登山で下山に利用したし、三の沢岳に登山した際も往復したことがあった。都合三回は経験があった。
 山中ビバークまでせずとも無事下山できる自信があって挑んだがあえなく敗退してしまった。様々な誤算があった。23日に偵察するとまず滑川の水量が冬というのに結構多かった。どこか弱点がないかと探したが最初の渡渉だけではない。したがって滑川の徒渉は断念した。
 以前2回ほど利用した二の沢付近に出る横断道を入口から半分ほど偵察すると何とか行ける見通しがついた。所々矩面が壊れたりしていたが何とかなった。だが引き返した地点から先が笹の成長で踏み跡を覆いかぶさっていた。丁寧に漕いで行ったが見失うことがしばしば発生。RFにどんどん時間をとられた。それに滑川の取り付き点は滑川の土石流に抉られて消失し下るのは困難であった。止む無く別のルートを下った。しかもヤブであった。約40分と見込んだが1時間半もかかった。
 二の沢の入口でも徒渉は困難を極めた。川幅があり対岸に渡れなかった。しかし、丁度桧の倒木が横たわっていて腹這いで渡れた。二の沢に入ってからも以前よりは倒木が多くなっていたし、沢の中は雪に覆われた転石で滑りやすくプラブーツではバランスが悪い。1800m付近から尾根の樹林帯に上がった。雪の下は凍結して滑りやすいのでアイゼンを装着して登山を続けた。
 様々な困難を乗り越えて頑張ったが横断道や他での2時間近いロスが響いて二の沢のコル10時の予定だったが手前で12時になった。明るいコルは目前であったが引き返すことにした。
 下山も一目散とは行かず、そろそろ滑落を注意しつつ下った。ほぼ同じルートを辿って16時20分、砂防公園に着いた。
 帰路は登れなかった蕎麦粒岳を望む東野の一角に寄り道した。R19号の萩原沢の橋を渡って左折し、直進、橋のところで左折すると東野、直進すると萩原沢の対岸に出る。前景に邪魔されない山容がいやがうえにも登高欲をかきたててくれる。文字通り鋭い山頂は何処にも同じものは二つとない風貌であった。この風貌をみた他の同行者もまた来たいね、と再挑戦を誓った。

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